CCCグループアセットの結集が実現する「五感に訴える観光地マーケティング」

ハワイ州観光局

日本支局長 ミツエ・ヴァーレイ 氏

ハワイ州観光局は、ハワイ州政府から委託を請け、日本市場におけるハワイの観光促進活動を実施しています。日本人旅行者のハワイへの誘致活動を目的とし、旅行業界向けのセールス活動、イベントプロモーションなどの日本市場におけるマーケティング活動などの業務を中心に行っています。

ハワイ州観光局では、ハワイ諸島のひとつであるハワイ島の渡航者数増加のために、2019年11月~12月にかけ、CCCマーケティングをパートナーとして、特設サイト構築、メール配信といったオンライン施策と、蔦屋書店での店頭フェアというオフライン施策を連動させたキャンペーンを実施。
その結果、ハワイ州観光局が理想と考える顧客層にリーチでき、関心を高め同局のメディアへの送客・会員獲得につながったと言います。

そこでハワイ州観光局日本支局長を務める、ミツエ・ヴァーレイ氏に、施策の目的や内容についてお話を伺いました。

  • 目的
    来島促進に向けた、ハワイ島のアイランド・ブランディングと渡航意欲の喚起
  • 施策
    特設キャンペーンサイトの構築・運用、ユーザーの意識調査とマインド醸成を兼ねたメール施策および蔦屋書店4店舗における「ハワイ島フェア」の実施
  • 効果
    ハワイ島への渡航意欲喚起、公式ポータルサイトへの流入増加、潜在層を含むメインターゲット層の掘り起こしと効果検証・分析

ハワイ島の渡航意欲アップをめざす理由

画像提供:Hawaii Tourism Authority (HTA) / Tor Johnson

ハワイ島は、ハワイ諸島の中で最も新しく、広大な島です。その特徴は、世界でも有名な火山である「キラウエア火山」に代表されるような、大自然の鼓動を感じられる、まさに「生きた島」というところにあります。

一方、一般的な日本人にとって「ハワイ」というと、ホノルルやワイキキビーチ、ダイヤモンドヘッドなどのあるオアフ島がイメージされがちですが、今回、ハワイ州観光局がハワイ島の認知拡大を図るプロモーションを展開したのは、どのような背景があったのでしょうか。
その点について、ハワイ州観光局日本支局長のヴァーレイ氏は、次のように説明します。

「まずひとつめが、2018年のキラウエア火山の噴火によって減少してしまった日本人観光客を呼び戻すこと。そしてもうひとつが、『オアフ島に次ぐ、ハワイ第2の島』として、ハワイ島のブランドを確立することです。私たちがここ数年力を入れているのが、それぞれの島の特徴について理解を促進し、関心を持った観光客に来てもらおうという『アイランド・ブランディング』です。そこでまずは、日本からの直行便もあるハワイ島のブランディングを進めようと考えたのです」

当時、ハワイ州観光局がハワイ島に関して掲げていた目標は、訪問者数が年間23万人、直行便の搭乗率が65~70%以上。この数値の実現のためにハワイ州観光局がまず取り組んだのが、ハワイ島の認知度向上に向けた施策でした。

ヴァーレイ氏は、次のように説明します。

「今回の施策では、リーチするべきターゲットを『海外旅行には行くが、ハワイには行ったことがない』、『ハワイには行ったことがあるが、ハワイ島には行ったことがない』というお客さまと設定したのですが、課題となったのが、アプローチするべきターゲットの顧客データでした」

ハワイ州観光局は、自分たちでも大量の顧客データを保有しているものの、データの性質上、今回の施策に合ったターゲットにリーチすることは難しかったのです。

「私たちでも、CRMや会員制公式ポータルサイト『allhawaii(オールハワイ)』、さらにソーシャルメディアなどで保有しているデータは、数十万件あります。ただ、その多くは、すでにハワイのファンとなっている顧客のデータであり、今回のキャンペーンのターゲットとは異なります。また、オンラインの施策だけではハワイ島の魅力を存分に伝えるのは難しいので、さまざまな形で、オフラインからもアプローチしていこうと考えていました」(ヴァーレイ氏)

そして、このような課題を解決するためのパートナーとしてヴァーレイ氏が選んだのが、CCCマーケティングでした。

CCCマーケティングの保有データとグループアセットを立体的に活用

「CCCグループの保有している膨大かつ詳細な顧客データを活用すれば、私たちが期待しているターゲットにリーチできる可能性が高い。また、データやウェブサイトを活用したオンラインでの展開だけではなく、オフラインでは、リアル店舗である蔦屋書店のスペースを活用することもできる。このように、CCCグループが持っているアセットを活用することで、いろいろなチャネルでのリーチを実現できると考えたのです」(ヴァーレイ氏)

そしてヴァーレイ氏は、キャンペーンサイトの構築と運用、T会員へのQ&Aメールの配信、蔦屋書店でのフェア展開という、主に3つの施策をCCCマーケティングと進め、それぞれの連動を図りました。

まず、キャンペーンサイトについては、ハワイ州観光局の公式ポータルサイトである『allhawaii』内に『ハワイ島旅スタイル診断』というサイトをオープン。こちらを訪れたユーザーは、表示されるいくつかの質問に答えていくと、カテゴライズされた4つの旅のスタイルの中から、自分に合ったハワイ島での旅のスタイルをレコメンドされます。
そして、そのスタイルにふさわしい、スーパーマーケットやレストラン、自然を満喫できる公園など、おすすめスポットの記事を読むことができ、さらにハワイ島往復の航空券プレゼントにも応募できる仕組みです。(現在、本キャンペーンは終了しています。)このキャンペーンサイトのコンテンツ制作には、CCCグループの出版社で『フィガロジャポン』『ペン』を発行するCCCメディアハウスの編集部が協力。実際にスタッフが現地を訪れ、取材を重ねて記事を書いているので、リアリティを感じられるコンテンツになっています。
また、キャンペーンサイトのスポット案内から、『allhawaii』内で紹介されている類似スポットの記事へのリンクを設けることで、より深くハワイ島の魅力を知ることができるようになっています。

Q&Aメールでは、属性や購買履歴をもとに『ハワイ島の潜在渡航層』と設定したT会員に、アンケート形式でハワイ島の魅力やおすすめの情報を紹介することでハワイ島への理解を促進させました。さらに、Q&Aメール回答後に、キャンペーンサイト(『ハワイ島旅スタイル診断』)への導線を設け、より詳しいハワイ島の魅力をお伝えしました。

そして、店頭でのフェアは、代官山 蔦屋書店、二子玉川 蔦屋家電、梅田 蔦屋書店、六本松 蔦屋書店の4店舗で実施。五感を通してハワイ島を体験できるよう、テーマを設計したうえで、施策を展開しました。
具体的には、ハワイ島をイメージさせる装飾やPOPを施した平台に、コンシェルジュが選定した、ハワイ島に関する書籍やアート作品、菓子、雑貨などを並べ、ハワイ島の風景や暮らしを体感できる空間を演出。

特に代官山 蔦屋書店では、フロアにハワイアン・ミュージックを流して雰囲気を盛り上げるなど、店舗をあげての取組みとなりました。また、コーナーの一角には『ハワイ島旅スタイル診断』へリンクするQRコードを設置。書籍やプロダクトにふれ、ハワイ島に関心を持ったお客さまの誘引を図りました。

これらの施策の効果について、ヴァーレイ氏は次のように話します。

「観光地マーケティングはプロダクトのマーケティングと違い、見たり聞いたり、あるいは触れていただくことで訴求できるポイントも多いので、提供している商品やサービスを的確に伝えること難しいのです。ですから、蔦屋書店でのフェアなどとも連動することで、メール配信やSNSでの拡散キャンペーンなどのオンライン施策だけでは伝えきれない部分を、お客さまには感じていただけたのではないでしょうか。

実際、店舗との連動については、蔦屋書店さんにハワイアン・ミュージックについてのお問い合わせがあったというお話も聞いていますし、私たちが運用しているSNSにも『蔦屋書店さんでハワイ島のコーナーを見ました!』『ハワイの星空の本を買いました』といった反響をいただいています。オアフ島とは違う魅力のある『生きている島』というハワイ島のブランディングができたのではないかと思います」

CCCマーケティングへの期待

今回の施策は、ヴァーレイ氏のコメントにあるように、オンラインでのコンテンツ展開、キャンペーンによる集客、データベースを活用したターゲットへのリーチ、そしてリアル店舗での五感への訴求という、オンライン・オフラインの連動とバランスをふまえて進められたものです。

ヴァーレイ氏は、施策について、次のように評価しています。

「アイランド・ブランディングは『この島をどのようにブランディングしていくのか』ということを、すべてのプロセスで意識していかないと、中途半端な結果に終わってしまいがちです。
実は今回の施策の前後も含めて、ハワイ島のブランディングは、コンセプトを確立したうえで、一貫したプロセスのもと進めてきました。その結果、「次に行きたい島は?」というアンケートに、ハワイ島のあがる確率がオアフ島よりも多くなってきています。この流れを、今回のオンラインとオフラインが連動した施策によって、より強化できたのではないかと感じています」

オンライン・オフラインともに、ハワイ島のブランディングに貢献できた今回のプロジェクトですが、各種施策の反応者(T会員)を属性データや購買データを基に分析したところ、「知的好奇心のある、都会に住む40代の男女」ということが見えてきました。

実はこの層は、ハワイ州観光局がハワイ島観光のメインターゲットと考えている層とほぼ一致しています。今後のデータ活用に向け、ハワイ州観光局でマーケティングマネージャーを務める高橋あやか氏は、こう話します。

「今後、ウィズコロナ、アフターコロナの時代に入り、観光に関する生活者の行動も変わっていくと思います。私たちのプロモーションやキャンペーンも、それに合わせて当然変化していく必要がありますが、そのようなときに、変化に敏感に対応するCCCマーケティングの持つ顧客データ、行動履歴などを活用させていただきたいと思っています」

この発言を受けて、ヴァーレイ氏は次のように語りました。

「今回の施策で反応があった層は、まさに現在ハワイ島で進めている『レスポンシブル・ツーリズム』のターゲットでもあります。『レスポンシブル・ツーリズム』とは、旅行先の自然や環境に負荷をかけることなく、また現地のルールやコミュニティを尊重した行動をするという、いわば、観光客も一定の責任のもとに旅行を楽しむ旅のスタイルです。
観光地側としても、そのような観光客に来てほしいと思っているのですが、そのターゲットが今回の施策に反応してくれたのは収穫のひとつです。」

「私たちが進めているアイランド・ブランディングは島ごとにテーマが異なっていて、来てほしい観光客の属性は異なってきます。また、高橋の話にもありましたが、ウィズコロナ、アフターコロナのニューノーマルの時代になり、人々の価値観は変わり、旅のスタイルも、潜在顧客層も変動していくと思います。
そうなると、私たちのマーケティングを進めていくためには、さらに詳細な顧客データ分析とそれに基づく施策が必要になってくるでしょう。そのときに、CCCマーケティングさんからどのような提案をしていただけるのか、今からとても楽しみです」

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